ことば選び辞典シリーズ物語
口癖って不思議。
自覚がなくても、だれかにとっては
それがぼくの言葉だと認識されている。
思わず口をついて出る相槌、
自分の軸を作る座右の銘、
あの人に好きだと伝える声。
無限に膨らんでいく言葉の図書館から、
どれを選んで発語するかは人それぞれ。
選んだ言葉が思いどおりに届くかどうかは
受け取った人次第。
ぼくにとっての「特別」は、
だれかにとっての「普通」かもしれない。
だれだってひとつの物語しか体験できないのに、
同じ言葉を同じように感じるなんてできるわけない。
だからぼくらはもっと対話をする必要がある。
自分を伝えて、あなたを教えて、
言葉という唯一無二のコミュニケーションツールで。
日常に寄り添う〝 言葉 〟が、
どこかで非日常に裏返しになる楽しさを ―
口癖って不思議。
自覚がなくても、だれかにとっては
それがぼくの言葉だと認識されている。
思わず口をついて出る相槌、
自分の軸を作る座右の銘、
あの人に好きだと伝える声。
無限に膨らんでいく言葉の図書館から、
どれを選んで発語するかは人それぞれ。
選んだ言葉が思いどおりに届くかどうかは
受け取った人次第。
ぼくにとっての「特別」は、
だれかにとっての「普通」かもしれない。
だれだってひとつの物語しか体験できないのに、同じ言葉を同じように感じるなんてできるわけない。
だからぼくらはもっと対話をする必要がある。
自分を伝えて、あなたを教えて、言葉という唯一無二のコミュニケーションツールで。
日常に寄り添う〝 言葉 〟が、
どこかで非日常に裏返しになる楽しさを ―
「もっと知りたい」「もっと学ばなければ」と、素直に感じた。
誰かに教わることが恥ずかしいという気持ちは、
まだ竜星の中にある。
しかし彼の目標は、
〝 目の前の壁を乗り越えること 〟ではない。
温めなおしたコーヒーにようやく口をつけ、尚徳は深いため息をついた。
自身のアイデアに行き詰まりを感じていたある日、
『創作ネーミング辞典』を見つけた。
それからというもの、『創作ネーミング辞典』は
彼にとってお守りのような存在だ。
今だけではない。
出会って以来、幾度となく彼を助けてくれた
〝戦友〟だった。
普段過ごすことのない静寂は、
頭に響き続けていた声をかき消して、
心安らぐ、希望を与える。
あたたかい空気は、冷たい耳を少し赤らめ、
その照れ臭さを隠すかのように、
彼女は、朱色の本を手に取った。
「好きって、こんなにたくさんあるんだ」