MAIKO×田沢あかね 気持ちを“伝える”ための美しいことば選び MAIKO×田沢あかね 気持ちを“伝える”ための美しいことば選び
#01

今回の対談をおこなうにあたり、『言語化タイムズ』の読者から
“日常の会話”をテーマとしたメッセージや質問を募集した。
話し方ひとつで人に与える印象は大きく変わる。
日々の会話を円滑にし、人間関係を良好に保つ“美しいことば選び”について、
元Julietボーカル・MAIKOと『ことば選び辞典®︎』シリーズ担当編集者・田沢あかねが語った“ことば”を、全4回で紹介。

Profile

  • 田沢あかね

    2014年、学研教育出版(現・学研プラス)に入社。80万部以上というコンパクト辞典としては異例の大ヒットを飛ばした『ことば選び辞典®︎』シリーズの編集を担当する。静岡県出身。母校である京都大学大学院では、言葉への興味から『平家物語』『保元物語』の研究を深める。幼いころは文字を読むことが好きすぎて、食品パッケージや電話帳までひたすら読みこんでいたという重度の蠹書蟲。好きなものは、古典と妖怪とコミック全般。

    2014年、学研教育出版(現・学研プラス)に入社。80万部以上というコンパクト辞典としては異例の大ヒットを飛ばした『ことば選び辞典®︎』シリーズの編集を担当する。静岡県出身。母校である京都大学大学院では、言葉への興味から『平家物語』『保元物語』の研究を深める。幼いころは文字を読むことが好きすぎて、食品パッケージや電話帳までひたすら読みこんでいたという重度の蠹書蟲。好きなものは、古典と妖怪とコミック全般。

  • MAIKO

    2009年Julietのメンバーとしてデビュー。同年リリースした「ナツラブ」「フユラブ」は多くの若者の恋心の代弁歌として大ヒット。2018年、約10年間のグループ活動を終え、現在はアーティストのレコーディングコーラスや、サーフ系ファッションブランドROXY GIRLSとして様々なイベントへ参加中。

    2009年Julietのメンバーとしてデビュー。同年リリースした「ナツラブ」「フユラブ」は多くの若者の恋心の代弁歌として大ヒット。2018年、約10年間のグループ活動を終え、現在はアーティストのレコーディングコーラスや、サーフ系ファッションブランドROXY GIRLSとして様々なイベントへ参加中。

MAIKO:

元・JulietのMAIKOです。今日はよろしくお願いします。

田沢あかね(以下田沢):

MAIKOさんのお相手を務めるのは、学研プラスの田沢あかねです。本日は会話における“ことばの選び方”というテーマでお話をしていこうと思います。よろしくお願いします。

MAIKO:

それでは早速ですが、皆さんからいただいたメッセージを見ていきましょう。まずはこちらの方です。

私は、人生をもっと楽しみたいと思っています。
今年で51歳になるのですが、子どもも自立した今、これから第二の人生を楽しみたい。
自分の幸せを見つけたいというのが本音です。今でも週に2回はジムに通い、ファッションやメイクにも気を遣っています。幅広い世代の友人もおり、それなりに楽しんではいるのですが…。自分の世界が凄く狭くて、このままこの窮屈な世界で 同じことを繰り返しながら終わってしまうのかと思うと、すごくつまらないなって思ってしまうんです。自分が主役になれる何かを見つけたら、一気に世界が広がるのではないか。また、心がときめくような経験をできるのではないか。そんな期待をしております。 (50代・女性)

MAIKO:

どうでしょう?

田沢:

とても高い向上心をお持ちの方なんだなあと感じます。自己研鑽を怠らず、幅広い交友関係を持っていて、ご自身の世界を広げることに意欲を燃やしていると。この方の魅力がもっと伝わる文章にするなら、まず“同じ表現の繰り返し”を避けると良いのではないでしょうか。例えば「人生をもっと楽しみたい」「第二の人生を楽しみたい」と、「楽しみたい」という表現が重なっていますよね。同じ表現が繰り返されていると、幼い印象を与えてしまいがちです。同じことを表すのにも異なる表現を織り交ぜることで、“人生経験が豊富で知的な女性”というイメージを持ってもらえるでしょう。あくまで文章として考えるなら、二度目の「楽しみたい」を「謳歌したい」に変えるなどが考えられますね。
MAIKOさんはどう感じますか?

MAIKO:

私は口頭での表現だとすれば「第二の人生を歩みたいと思っています。」とサラッと表してしまう方が、話す人の感情が際立つと思います。あんまり自分の気持ちを話につめこみすぎると、聞き手が「もういい! わかったわかった!」となってしまうかなって。
力を抜くところは抜いて、“自分はこの話で何を伝えたいのか”というところをしっかり決めるほうが、そのポイントが輝くんじゃないかな。

田沢:

たしかに。文章表現と口語表現では力の入れどころが違うことも多いですよね。

MAIKO:

そうなんです。文章ではすごくキレイだけど、声に出してみたら固いということもあると思います。もし事前にしゃべる内容を用意できるなら、ぶっつけ本番じゃなくて事前にしゃべって練習してみるといいですよ。今はスマートフォンがあるから録音でも撮影でもしやすいですし。スマホで録って自分で聴きなおすと、意外と同じことを何度も何度も言ってることに気がつくことがあります。
例えば1分半で読むつもりで原稿を用意したとしても、録ってみたら自分がめちゃくちゃ早口で30秒で終わっていたり、逆にゆっくり読みすぎて長かったりしますよね。あとは本番で緊張すると読むスピードが変わることが多いので、いざという時でもしっかり想いが伝わるスピードで話せるように、練習を繰り返してしゃべり方を体にしみこませておくと良いと思います。

田沢:

1分半だと、一般的には300字~400字くらいの文章が適しているといわれますよね。意外とそんなにたくさん要素を入れられないんです。

MAIKO:

あまり省略しすぎて短い単語だらけになっても伝わりにくくなっちゃいますけど、できるだけ簡潔な表現で相手に伝えることば選びが重要ですよね。

田沢:

言いたいトピックスを3つも4つも入れるのではなくて、これという項目を定めて肉付けをしていくイメージで作ると良いかもしれません。

MAIKO:

そうですね。あとは困ったらこの学研の『ことば選び辞典®︎』を使っていただいて…。

田沢:

宣伝ありがとうございます(笑)。

MAIKO:

たとえばこの『感情のことば選び辞典』だったら、「伝えたいことがあるんだけど、何度も同じ言葉を使いたくない」というとき、別の言い回しを探せます。どうしても伝えたい想いがあるなら、こういう辞典を使って自分の“ことば”の引き出しを増やすのがおすすめですね。

田沢:

読者の方からは「なんにも思いつかないときにぱらぱらめくると発見がある」という感想もいただいています。

MAIKO:

私もそうやって使ってます!

聞き手に自らのメッセージを伝えるには、まず“何を伝えるかを明確にすること”が大切だと語るMAIKOと田沢。明確なテーマをシンプルな言葉で語ることで、聞き手が話の内容を理解しやすくなる。

同じような表現が続いてしまうという悩みがある場合には、学研の『ことば選び辞典®︎』シリーズを参考にしてみても良いだろう。自分では思いつかなかった様々な表現を知ることで、より相手に伝わる会話ができるようになるはずだ。

第2回では引き続き、読者から届いた原稿をもとに、MAIKOと田沢が“ことば選び”についてアドバイスをおこなう。

ことば選び辞典シリーズ®︎

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